Profile

アサダワタル / WataruAsada

1979年生まれ。

文化活動家 / アーティスト、文筆家、近畿大学文芸学部教員、博士(学術)。

 

言葉や音楽を手立てに、人々の日常生活・コミュニティときわめて近接した文化活動(アートプロジェクト、ワークショップ)を各地で展開。芸術を軸にしつつもまちづくり、障害福祉、子育て、住宅政策、キャリアデザインなど領域を節操無く越境しながら、個性と創造性がのびのびと生かされるコミュニティづくりに勤しんでいる。テーマは「表現による謎の世直し」。自宅を無理なく他者に開放する「住み開き」や、肩書きや分野に縛られない漂流的な働き方を肯定する「コミュニティ難民のススメ」など、これまで提唱してきたソーシャルコンセプトは、既存の日常・仕事観を更新するものとして、幅広い領域で注目を集めてきた。近年はとりわけ「記憶」に着目した音楽ワークショップやアートプロジェクトを各地で展開し、2019年に開設された、品川区立障害児者総合支援施設ぐるっぽでは、公立の福祉施設としては稀有なアートディレクター職を3年間務めた。2022年からは、近畿大学文芸学部文化デザイン学科の特任講師として、「表現と社会」にまつわる様々な講義やプロジェクトを設計・展開している。

 

キャリアの始まりは2002年、バンド「越後屋」のドラマーとして。くるり主宰レーベルNOISE McCARTNEY RECORDSより2枚のCDをリリースしその後解散。'03年以降、サウンドユニット「SjQ」(HEADZ) のドラム担当と平行して、ソロプロジェクト「大和川レコード」始動(現在はアサダワタル名義)。'00年代中盤以降は、芸術系NPO cocoroom(大阪市西成区)、劇場型寺院 應典院(大阪市天王寺区)、社会福祉法人発の美術館 ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(滋賀県近江八幡市)などの運営に参画。以後、全国各地で地域コミュニティや障害福祉に関わるアート(音楽)プロジェクトの企画演出を担うなど、「作品」づくりとは異なる日常生活と地続きな表現へと移行した。'10年以降、これらの特異な経験を踏まえて「表現による社会活動」をテーマにした一連の著作を発表。思索をより深めるために、滋賀県立大学大学院環境科学研究科にて2016年に学位論文『音楽による想起がもたらすコミュニケーションデザインの研究』で博士号取得。

 

主な著作に『住み開き増補版 もう一つのコミュニティづくり』(ちくま文庫)、『コミュニティ難民のススメ 表現と仕事のハザマにあること』(木楽舎)、『表現のたね』(モ*クシュラ)、 『想起の音楽 表現・記憶・コミュニティ』(水曜社)、『ホカツと家族 家族のカタチを探る旅』(平凡社)、『アール・ブリュットアート 日本』(編著、平凡社)、『ひとびとの精神史 第9巻』(共著、岩波書店)など。

 

主なCDに『福島ソングスケイプ』(アサダワタルと下神白団地の皆さん名義、GrannyRideto)、『歌景、記譜、大和川レコード』(路地と暮らし社)、『Animacy』(SjQ名義、HEADZ)、『you reverse the Universe』(越後屋名義、NMR)など。

 

主な演出プロジェクトに「築港ARC(アートリソースセンタ−)」(大阪市港区 2006-2009)、「住み開きアートプロジェクト」(大阪市 2009、東京都 2010)、「八戸の棚Remix!!!!!!!!」(青森県八戸市 2010)、「ひょっこりひょうたん塾」(岩手県大槌町 2012)、「コピーバンド・プレゼントバンド」(高知県四万十市 2012)、「歌と記憶のファクトリー」(北海道札幌市 2013)、「小金井と私 秘かな表現」(東京都小金井市 2015-17)、「千住タウンレーベル」(東京都足立区 2016-19)、「ラジオ下神白」(福島県いわき市 2016-)、展覧会「まなざしラジオ」(東京芸術劇場 2020)、公演「コロナ禍における緊急アンケートコンサート 声の質問19」(東京藝術大学 2021)など。

 

受賞歴に、ドラムを担当するサウンドメディアプロジェクト「SjQ++」では、メディアアートの世界的な賞である「Prix Ars Electronica 2013」のデジタルミュージック部門にて優秀賞受賞(オーストリア・リンツ市)。プロジェクト「住み開き」にて「Library of the Year 2011」優秀賞受賞。ソロパフォーマンス名義「大和川レコード」では、横浜BankARTによるパフォーマンスアワード「Cafe Live Series 2008」にて大賞(BankART賞)受賞。

 

大学での主な仕事として、これまで神戸女学院大学文学部副専攻キャリアデザインプログラム(2010年~2013年/「アートマネジメント演習」)、立命館大学映像学部(2011年/「文化経済論」)、プール学院大学国際文化学部(2013年/「キャリアデザイン演習」)、京都精華大学ポピュラーカルチャー学部・全学共通プログラム(2015年~2017年・2019年~2021年/「ソーシャルデザイン演習」)、東京大学大学院人文社会系研究科(2019年~2020年/「アートプロジェクト実践論」)などでの非常勤講師や、大阪市立大学都市研究プラザ(2022年より大阪公立大学都市科学・防災研究センターに改編)の特別研究員(2016年~)。

 

主な役職として、NPO法人こえとことばとこころの部屋(cocoroom) 副代表理事(2007年~2016年)、津田塾大学ソーシャル・メディア・センターの評価委員(2010年~ 2011年)、近江八幡ボーダレスアートミュージアム NO-MA懇談会委員 (2011年~) 、滋賀県「美の滋賀」アドバイザー(2012年~)・「美の滋賀」地域づくりモデル事業トータルコーディネーター(2013年~2015年)、東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS) 「OUR SCHOOL」アドバイザー(2013年~)、東京都および東京文化発信プロジェクト室主催・「アートプロジェクトにおける「音」の記録研究」研究協力者(2013年~2014年)、NPO法人多様性と境界に関する対話と表現の研究所(diver-sion)理事(2014年~)、NPO法人kokoima理事(2015年~)、「美の滋賀」創造事業スーパーバイザー(2016年~)。